ハイレゾとかスペックのお話。(その3)


再生機器の方の40KHzってなに?

先に書いたように音の高さです。
40KHzとは超高音域を示しており、その高さの音まで再生できないとハイレゾ対応機器とは名乗れません。
ところで、人間の耳は20Hz〜20KHzまで聞こえると言われています。(可聴域といいます)
え?じゃあなんで40KHzなんて規定してるの?と思った方は鋭い。
実は細かい話を除きますが、データの方のHz(データの分割の細かさでした)の半分の数字が収録できる音程の高さの限度と等しいのです。
CDのデータは44.1KHzと決まっています。この半分は22.05KHzですね。
これがCDに収録できる音程の限度です。
さっきの人間が聞こえる周波数の上限20KHzと関係あるのでは?と思った方。
正解です。
一応人間が聞き取れるとされる範囲の音を収録できる周波数となっているのです。
ではハイレゾ音源は96KHz以上ですから、収録できるのは48KHzですね。
じゃあ、20KHzの2倍、40KHzを条件にしよう。となったわけです。



問題はここから始まった。

たしかに自然界には20KHz以上の音が含まれています。また、聴覚で判別していなくても、人間は可聴域外の音を感じ取れるとも言われています。それは否定しません。効果もあるかもしれません。
が、待ってください。
そもそもハイレゾ音源の「目的」は音の波をより自然な曲線に近づけるために、データの分割数やBit数を増やしたのでした。
40KHzの高域が再生できるのはある意味副産物の一つです。
それをハイレゾ対応機器と名乗るためのアナログな条件にしてしまいました。
これが、誤解を生み、一人歩きする原因となりました。
なぜなら、消費者が最も触れるのはハイレゾデータのスペックではなくて、再生機器のスペックだからです。




40KHz論争

ハイレゾ対応機器を名乗るために、メーカーはこぞって40KHzの音が再生可能なことを売りとした商品を展開し、消費者の目に触れるようになりました。
仕方なくそうしたメーカーだけでなく、喜び勇んで「70KHz対応!」などと宣伝文句に使うメーカーも現れます。
結果としてネットではこのような発言が目立つようになります。
「このイヤホン、ハイレゾ対応の周波数じゃないじゃん。ハイレゾ音源持ってても意味ねー。」
「オーディオオタクって可聴域外の音を感じれるんでしょw」
「いや、可聴域外の音にも意味があってだな。」
などなど。
この音程の40KHzのスペックばかり語られるようになります。
ちょっと待ってください。
副産物が話の中心となっており、本来の「目的」の音の正確さ(分割数のHz)と、深みを表現する(Bit深度)という「より自然に近い音」を目指すというハイレゾの本質からズレています。

↓続き

ぽぷりのLeave me alone.

オーディオ歴20年以上のとある販売員が突然始めたブログ。(*´꒳`*)

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