NICEHCK DB2 レビュー 【Public Relations with HiFiGo】


こんにちは。ぽぷりです。・ω・ 

今回は久々にイヤホンのレビューです。

機種は「NICEHCK DB2」で23USドル前後で販売されている1DD1BA構成のイヤホンです。

今回はオーディオセラーのHiFiGo様(以下HiFiGo)よりサンプルをいただいて記事にしています。

そのためタイトルに【Public Relations】をつけておりますが、サンプル提供とレビュー依頼を受けたのみであり、提灯記事を依頼されたものではなく原稿料をいただくこともないことをここに記します。

最後にHiFiGoの販売ページ、Amazon.co.jp、AliExpressへのリンクを貼りますが、アフィリエイトなどは一切かけていません。

ではいってみよう。

色はブラック/パープル/ブルーの3色から選べます。見た目はカッチョイイ。


パッケージ内容は写真の通りです。AET07ライクのイヤーピースが付属しており装着感は良好。



スペックとか技術的解説

ではまずスペックから。以下の引用部分はHiFiGoのNICEHCK DB2販売ページより引用し、独自に一部翻訳・修正・加筆したものです。

製品名: NICEHCK DB2 HIFI Audiophile In-ear Earphone Monitor
ブランド: NICEHCK
モデル: DB2
インピーダンス:16Ω
カラー: Blue/Purple/Black
プラグタイプ: 3.5mm
周波数レンジ: 20-20000Hz
感度: 107dB/mW
ケーブルコネクタ: 着脱式 0.78 2pin
ケーブル長: 1.2m±5cm
ケーブル線材: 高純度OFC
シェル素材: PC+Aluminum Alloy
マイクの有無: 有り無し選択可
ドライバユニット: 10mm Titanium Plated Graphene Dynamic+1BA

DB2は製品名にもある通りセラーでもありブランドでもあるNICEHCKより発売されたエントリーグレードのイヤホンです。

ドライバ構成はチタンメッキされたグラフェン製の10mmダイナミックドライバー(DD)と詳細不明のBAドライバーが1基です。

担当周波数の振り分けは低~中域がDD、高域~超高域がBAです。

1DD1BAというと低域がDD、中~高域がBAという割り振りの製品が多い印象ですが、DB2は違うようです。

なお、当サイトでは音域を以下のように扱います。

  • サブベース(SUB BASS): 60Hz以下
  • 低音域(BASS): 60Hz~700Hz付近
  • 中音域(MID): 700Hz~3KHz付近
  • 高音域(HIGH): 3KHz~10KHz付近
  • 超高音域(SUPER HIGH): 10KHz以上

よく言われる「耳に刺さる音」は歯擦音(しさつおん)といい、個人差や閉管の気柱共鳴の位置などで変わりますが、3~8KHz付近にあります。

そして通常のボーカルは100Hz~1KHz付近に分布しています。

なのでDB2はボーカルは基本DDから出ており、音が刺さるとしたらBAが悪さをしている可能性が高いです。

分解図

 

分解図・説明書きを見ての通り、BAは音導管にポン付けタイプです。

PCBがついているのでDDとBAは電気的にクロスオーバーが調整されています。また、DDユニットの出口にファブリックメッシュが設置されており、そこでも不要な帯域の減衰や低域の質感の調整をしていると思われます。またこのDDのメッシュ正面のところにベントが1つ空いており内圧をコントロールしています。

フェイスプレートのゴールド部分はプラメッキではなくちゃんと金属が利用されています。



ビルドクオリティや装着感について

ビルドクオリティや装着感については悪い場合のみ書きます。本製品は合格なので特に書きません。価格にして十分以上なクオリティを確保しています。



大まかな音のレビュー

以下のレビューは全て付属品のケーブルおよびイヤーピース(AET07ライク)を利用しております。あくまで1つの商品パッケージとして評価します。

聴いてみて気に入らない部分があれば各々でリケーブルなりイヤーピースの変更などを行ってください。

なお、ケーブルはTFZタイプの端子、イヤーピースは開口部の広めのスパイラルドットやSednaシリーズ等が適合します。(もちろんその他の2ピンケーブルや中くらいの開口部のイヤーピースも使用自体は可能です。)

また、50時間ほどバーンインしてから評価していますが、個人的には購入後の強制バーンインは推奨しません。普通に使っていればOKです。今回は記事を書くために意図的に50時間ほど通常の音量で音楽を流しました。


音の大まかな傾向を書きます。

  • いわゆるW型の音だがどちらかというと低域寄りの音でウォームな音
  • 歯擦音は録音や音量によってはやや刺さる
  • サブベース・低域は量感たっぷりで音圧のあるタイプ
  • 解像度はそれなりでDD担当部分(~ボーカル部分)は一体感を重視したタイプ、BA担当部分(ボーカルより上の部分)は別で鳴っている感があるタイプ
  • 音場は狭め

ざっくりとこのような印象です。

近年は中高域寄りに振ったスッキリした見通しが良い音(個人的に淡麗系と呼んでいます)の製品が多い中、中低域寄りのウォームでパンチのある音は珍しいと言えます。個人的には淡麗系ばかりで飽きてきたのでここ数か月はこういった低域に力がある音を求めていました。実際の購入傾向もそうなっていたと思います。(淡麗系は飽きてきたのであって嫌いではないです。)

Tanchjimなど各社もBASSシリーズやDSPシリーズなど低域強化の同一ベースモデルを出すなど、低域の大事さが見直されつつあると感じます。

この製品は淡麗系に飽きてきた自分と同じような層に刺さる製品だと思います。



詳細な音のレビュー

サブベース(SUB BASS): 60Hz以下

良く出ています。特に海外音源に多いこの音も強く再現できておりサブベースの再現性は高いです。圧もキレも十分です。長時間聴くと疲れるくらいの音圧が出ています。

とはいえこの音域をちゃんと出しているのは好感が持てます。


低音域(BASS): 60Hz~700Hz付近

十分に出ています。日本の音源に多い80~100Hz程度の低域もある程度鳴らしてくれます。


中音域(MID): 700Hz~3KHz付近

ここまでがDDの担当です。W型の音質でここも持ち上がっていて遠く感じることもなく、ウォーム、ウェット寄りの音です。近くでボーカルが聞こえ、質感も距離感もよいと感じます。


高音域(HIGH): 3KHz~10KHz付近

ここからBAが担当です。特に6~9KHz付近までが少々刺激的な音です。そのあたりを境に一気に音量が下がります。正直に言うとこの機種は詳細不明のこのBAが音のクオリティの足を若干引っ張っている感があります。解像度も特別高くなく、この価格帯の音導管ポン付けのBAに過度な期待をしてはいけません。

ハイハットのメインな音程は10Khz付近ですから、そこの部分の落ち込みが解像度に影響していると思います。


超高音域(SUPER HIGH): 10KHz以上

12KHz付近でまた音量がやや上がります。そこから一気に落ち込みます。

この12KHz~18KHzくらいまでの帯域はハイハットやシンバルの最上部やその他の金属音など煌びやかさや音の細やかさを表現する部分です。

この帯域が中域以下と相対的に小さいことが音場を狭めている一因かと思います。


ここまで書いて周波数特性のグラフをみたら印象とぴったりと合っていました。

ちなみに各帯域の音量は楽曲はもちろんスウィープジェネレーターで注意深く聴きました。

この公式周波数特性グラフは信用していいと思います。

DB2の周波数グラフ



まとめ

このイヤホンをお勧めできる方

  • 迫力のある音を求めている方
  • 予算はないが見た目が良い製品が欲しい方
  • 付属品のみである程度完結できるレベルのものが欲しい方


このイヤホンがおすすめできない方

  • 高域の繊細さを重視する方
  • コストパフォーマンスをトータルではなく音にのみ求めている方


このような感じでしょうか。

私は決してコストパフォーマンスは悪いとは思いませんでした。見た目に満足できたのと、イヤーピースがとても装着感の良いAET07ライクなこと、ケーブルが細く取り回しがしやすいことなど、1パッケージである程度完結できるからです。

一方で中華イヤホンに「この価格でこの音を!?」を求めている方は、やはりもう1段階上の価格帯の商品をお勧めします。

リケーブルはインピーダンス特性が複雑なBAドライバへの影響が出る可能性があるので、お持ちの方は試してみるとよいかもしれません。

歯擦音が気になる方はイヤーピースを特にドライバから鼓膜までの距離を変更する方向性で探すと自分に合うものが見つかるかもしれません。

しかしケーブルやイヤーピースをわざわざ新調して結局数千円足すというのであれば、やはり最初から1段階上の価格帯(50USドル以上)の商品を買うことをお勧めします。

なのでやはり「1パッケージである程度完結できるところが魅力」こちらがわたしの総論になります。

特に中華イヤホン初心者におすすめです。


最後に、このレビューの機会をいただいたHiFiGo様へ感謝の意を記すとともに、下に販売ページのリンクを貼っておきます。気になった方はこちらから購入してみてください。


では、今回はここまで。(=゚ω゚)ノ



販売先リンク一覧

ぽぷりのLeave me alone.

オーディオ歴20年以上のとある販売員が突然始めたブログ。(*´꒳`*)

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